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2022.06.14

好酸球性副鼻腔炎について

かなり時間があいてしまいましたが、4月7日の記事の続きです。

好酸球性の病気は治療が難しいようで、好酸球性胃腸炎同様、好酸球性副鼻腔炎も難病に指定されています。
以前は、「なかなか治らない場合は手術をする」というのが一般的だったようです。
ただ、手術してもしばらく経つと戻ってしまう事が多いそうで、私がお世話になっていた病院の先生は、「手術した方がいいかも……」とは言いつつも、強制する事はありませんでした。

私の場合は、一番気になる症状が嗅覚障害でした。鼻が詰まって眠れないようなことも一時期ありましたが、そこまで酷い事は滅多になく、生活に支障をきたすという事はさほどありませんでした。なので、好酸球性胃腸炎で入院して(同じ病院ではあったけど)耳鼻科に通えなくなってからは、耳鼻科に復帰する事なく、時が過ぎていたのでした。

いや、正確にいうと、別の医院にも行った事はあるんです。
「好酸球性副鼻腔炎に関しては日本で○本の指に入る名医」といわれるX先生に診てもらいに行きました。
「好酸球性副鼻腔炎にお詳しい先生なんだろう」としか考えず、色々相談させてもらおうと思っていたのですが、今思えば、「手術が上手い」という意味の名医だったのかもしれません。
X先生に執刀してもらいたくて、わざわざ新幹線に乗ってまで訪れる人もいたらしい。
けれども、当時の私は手術に消極的でした。手術しても治るとは限らないらしいし、手術しても戻ってしまう人が多いらしいし、「どうせ手術をするなら名医にやってもらいたいけれど、出来れば手術は避けたい」と迷っていたのでした。
そんな姿勢が「治す気がない、やる気がない」と取られてしまったのかもしれません。X先生が苛立っているのがわかりました。すごく厳しい口調で色々言われて恐かった。手術を避ける後進の先生達がいる事にも怒っているようでした。きっと偉い先生なのでしょう。

山ほど手術をやっているX先生にしてみれば、手術なんて大した事ではないのでしょうが、手術した事のない人間にとっては、恐ろしいものです。大きな手術ではないのに、血栓がどうとかで手術後に亡くなった親戚もいます。少しでも安心させてほしいのに、そんな気遣いはしてもらえそうにありませんでした。
受診中は、恐さと「なんでここまでキツイ事言われなきゃいけないんだろう」という悔しさとで、涙が出そうでした。半泣きでした。帰り道、人がいない通りでは、本泣きしました。
自分が悪いのかもしれないし、恥ずかしいので、今迄記事にはしませんでしたが、本当にイヤな思いをしました。

アプローチを変えてみようと思い、さらに別の某医院、アレルギー科に行った事もあります。
そこでは「好酸球性副鼻腔炎については提携しているいい先生がいるので紹介します」みたいな事を言われたのですが、なんとそれが前述のX先生で愕然。
「診てもらった事あります」とは言えず、丁重にお断りしたのでした。あれにはビックリした……。

あれから何年経っただろう?
そんな苦い思い出があるので、今回のアレルギーセンター(?)でも「また手術をすすめられるのかな……」とハラハラしていましたが、なんと、
「今は、あまり手術はしないですね」
と言うではありませんか!
「手術しても治るとは限らないし、しばらく経つと戻ってしまう事も多いし」
というような事を言ったような気がしますが、都合の良いように解釈してるかもしれない(笑)。
いや、正確な言葉は既に忘れてしまったのですが、お話を聴きながら、
「そうでしょ、そうでしょ!! 私、間違ってなかったよね!!!」
と心の中で叫んでいたのでした。
前述のX先生が鬼なら、今回の先生は仏に思えました。
仏先生とのやりとりをX先生が見たら、「何言ってんだ!」と怒るかも?
時代が変わったのか先生による見解の違いなのか、どちらかわかりませんが、X先生に泣かされた事を、ようやくブログに書ける心境になれたのでした。

ちなみに、以前、

「デュピクセントって、鼻にも効く筈ですよね。それとも同時に何かしなくちゃダメなんですか?」
なんていう相談に乗ってくれる人がいません。

と書きましたが、
今回相談してみたら、「デュピクセントを打っていれば、同時に他に何かする必要はない」と、教えていただけました。
デュピクセントは従来の薬とは段違いな程、良い薬なのだそうです。
3か月位で嗅覚が復活する人もいるけれど、1年位経って復活する人もいるのだとか。
もっとも、薬をやめて戻っちゃう人もいるらしいんですけどね……。
手術やって戻る人もいるので、それに比べればましだと思います。

というわけで、デュピクセントを打っている私は、耳鼻科に通う必要はなさそうです。

ちなみに、今日はホウレンソウの香りがわかりました。
デュピクセントを打つ前よりは、匂いを感じる機会が増えてます。まだまだ、たまにしか感じられないのですが。
そして、鼻が詰まった時に稀に使っていた点鼻薬は全く必要なくなりました。
アレロック(オロパタジン)は、逆に鼻が出すぎる時に使っているのですが、週に1回位で大丈夫かな。
咳も抑えられていて、以前は朝と晩に使っていたシムビコートが、今は出かける前のみの使用で問題ないです。肺の影も小さいままで安定しているようです。デュピクセントのせいで一時的に上がった血中の好酸球値も落ち着きました。

これで、嗅覚が戻ってくれたら言うことなし、なんですが。

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コメント

こんにちは。
好酸球性副鼻腔炎の記事、ありがとうございます!

名医の先生、手術の腕はすごいのかもしれないけど、
細かい心配りができないようじゃだめですね(^^;)。
僕も病院通いが長いので、
その種の医者からの圧力、感じたことあります。

実は4月から地方在住になったので、
こっちだと好酸球の専門の先生はいなさそうだなあ。
大学病院とかにはいるのかな。

手術というのはどういうことをするんでしょうね?
僕の場合はたぶん鼻茸ポリープを切除するとかなのかな。
CTスキャンを受けたことがあるのですが、
ポリープは2つあるそうです。どちらも良性だったけど。

デュピクセント、試してみたいなあ。
でも、高いからなあ(^^;)。
YAGI節さんは難病助成、受けてるんですか?

嗅覚が戻るといいですね。
僕も長いこと匂いを感じてないなあ。
餃子を食べるとニンニクの香りをかすかに感じるくらい。


投稿: CAKE | 2022.06.19 17:11

CAKEさん

一時期、「匂いがわかるようになった」と書かれていらっしゃいましたが、戻ってしまったのですね(>_<)。

>こっちだと好酸球の専門の先生はいなさそうだなあ。

あ、東京でも見た事ないですよ。
先述の名医の先生も、別に「好酸球の専門」というわけではないです。

>YAGI節さんは難病助成、受けてるんですか?

好酸球性副鼻腔炎の助成は受けていません。
結局手術も受けなかったので、助成を受ける程の治療費はかかってないんです。
好酸球性消化管疾患(胃腸炎)は難病申請しましたが、タイミングがうまくいかず、入院費がカバーできなかったので、意味なかったと思いかけました。が、市から僅かですが見舞金的なものが出たので、申請して良かったと思い直しました。
1年で更新が必要でしたが、消化器内科には行かなくなったので更新しませんでした。

ただし、喘息の助成を受けていて、喘息の治療としてデュピクセントを使わせていただいてます。
CAKEさんは喘息の助成は受けてないのですか?……と思ったけど、喘息の助成は自治体によって異なるみたいですね。

投稿: YAGI節 | 2022.06.22 00:22

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