耳の聞こえない人やコーダの本
当ブログで映画『コーダ あいのうた』を取り上げた際、「最近、ろう者についての本をいくつか読んでいます」と記しましたが、5月は、耳の聞こえない方やコーダ、障害について書かれた本を13冊読みました。ひと月でこんなに読んだのは初めてかも。
その後も色々読んだので、記録してみます。
◆ろう文化最初、「わかりにくい、取っつきにくい本」と思いました。なんか古そうだし。
でも、色々な人の、様々なタイプの文が載ってるんです。衝撃宣言あり、エッセイあり、バッチバチの対談あり、講演みたいなものあり、寓話あり。
まず「読みやすい所だけ読んで、興味のない所は飛ばす」という読み方をしちゃってました。途中で「あ、さっき飛ばしちゃった所に、すごく大事な事が書いてあったかも」みたいな感じで戻って読み返してみたり、「さっきはなんか意味わからなかったけど、今読み返したらわかるかも」と、また戻ってみたり。
耳の聞こえない人を「聴覚障害者」と簡単にまとめてとらえてしまっていた私は、「生まれつき耳が聞こえなくて手話を用いる人達」と「中途失聴者や難聴者」のあまりの違いに衝撃を受けました。「ろう」という言葉をとても大切に思っている人がいる事にも驚きました。差別用語だと勘違いしていた事もあったよ……。
◆木村晴美さんの本
『ろう文化』の所に書いた「衝撃宣言」とは「ろう文化宣言」の事なのですが、それを発表したろう者が木村晴美さんです。
『ろう文化』は難しかったけれど、こちらはすいすい読めました。
◆亀井伸孝さんの本
文化人類学者の亀井伸孝さんの奥様はろう者です。
奥様と共著の『手話でいこう』が面白かったので、『手話の世界を訪ねよう』も読んでみました。どちらも図書館から借りましたが、『手話でいこう』はもしかしたら廃版かも?
◆丸山正樹さんの小説
コーダを主人公にした小説『デフ・ヴォイス』シリーズ。
木村さんがモデルの人物が出てきます。
『孤高の相貌』のみスピンオフで主人公が異なっています。
丸山さんの本が面白かったので、『ワンダフル・ライフ』と『漂う子』も続けて読みました。
◆乃南アサさんの小説
ヒロインが耳の聞こえない少女です。
『鍵』の続編が『窓』。
◆コーダの実話
事実は小説より奇なり。
◆意外な職業で活躍する人々
映画監督、東大教授、女優、医師のみなさんです。耳が聞こえなくても出来るお仕事だったのですね。
◆様々な声
成功者ばかりではありません……。
◆ちょっと真面目な本
◆耳のきこえない人が出てくる小説
幕末小説でおなじみ秋山香乃さんの作品に耳の聞こえない人、出てきました。
『群雲に舞う鷹』の主人公・奥保鞏(おくやすかた)は元小倉藩士。佐幕派で難聴だったにも関わらず、陸軍で大出世を果たした人物。秋山さんは同郷だそうです。
『約束』と『さいはての彼女』は短編集。耳のきこえない人が全編に出てくるわけではありませんが、どちらも良かったです。
『約束』は最初から最後まで涙をこらえるのが大変でした(外で読んだので我慢しました)。
『さいはての彼女』の読後は、爽やかな、とても良い気分になれました。
『レインツリーの国』は映画やラジオドラマ、『四つの終止符』は映画やテレビドラマに何度もなっているみたいです。
『レインツリーの国』は玉森裕太さん、『四つの終止符』は田村正和さんが主演なので、時代の違いを感じますが。
『四つの終止符』は楽しい話ではないのですが、とても引き込まれました。心に残る重い話です。西村京太郎さんの作品だけあって(?)、簡単に人が死に過ぎ(泣)。
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