岡田以蔵
この人の事はドラマ『竜馬におまかせ』で知ったという邪道な私。
当時は幕末に全く興味が無かったし、「龍馬(ダウンタウンの浜田雅功さん)が大阪弁話すなんて、ヘンだよ〜」とバカにしていたのですが、何かの拍子で偶然見て、反町隆史さん扮する以蔵の事が気になり、その後はちょくちょく見るようになりました。反町隆史さんの事も、あのドラマで初めて知ったような気がする。
コメディタッチの明るい作品の中で、口数少なく静かな以蔵は異彩を放っていました。しかし「反町以蔵」からは、暗さというよりもシャイなイメージを受けました。爽やかですらあったかもしれない(よく憶えていないけど)。なので、実際の以蔵がダーティーな人斬りだと知ってちょっとがっかりしたものです。
『剣豪3』の以蔵は、「反町以蔵」よりは史実に近いかも。
己の身分の低さ、頭の悪さを卑下し、剣に――というより人を斬る事に執着しています。
邪な感じがするけれど、武市半平太への思いは真っ直ぐな物のように感じられます。でも、それが武市には伝わらない。武市の為に剣を振るっても、「ただ単に人を斬りたいだけ」と思われてしまう。いや、実際の所はよくわかりません。「人を斬る事が好き」というのも本当かもしれない。でも、武市の事を慕っているという事も本当だと思います。それなのに、武市から疎まれる様は本当に切ない。
ゲームの中で以蔵は主人公に尋ねます。
「俺とお前とどこが違うんだ?」
主人公だって人を斬るのに、武市に気に入られています。「主人公だから」と言われればそれまでですが(爆)。まぁ、主人公は、「人を斬る」という事よりも「勝負」に価値を見出しています。そしてそれとは別に武市の事を信頼していて「彼の命令には従おう」と思っている。そこが以蔵との違いといえば違いですが、それって、それ程大きな違いなのか? 人を斬ってるという事実に変わりないんじゃないか???
史実の以蔵は最後に武市を裏切ります(武市の態度を見れば当然という気もする)。
しかし、ゲームの以蔵は武市を慕ったまま主人公に斬られてしまうのです。うう、斬りたくなかったよ…。
「人斬り以蔵」という言葉で連想するのは「人斬り半次郎」こと中村半次郎。
彼もこのゲームに登場しますが、以蔵とは正反対に明るく前向きな人物として描かれています。半次郎も元の身分は低いし、祖先は罪人という暗い生い立ちなのに、下卑た感じってあまりないんですよね〜。
以蔵が必要以上に卑屈になってしまった理由について、ゲームでは「土佐の階級制のせい」と龍馬に語らせています。
土佐の身分差別(武士の中でも階級がある)が他藩よりも激しかったというのは史実なんですね。勉強になるゲームでした。
| 固定リンク
コメント