萬斎でござる
先日『笑点』を見ていたら、『ややこしや』をテーマにした出題がありました。
「今、若者の間で野村萬斎さんの『ややこしや』の着メロが大人気で……」なんて話を歌丸さんがしていたのがなんだか嬉しかったです♪ そして笑点メンバー達が「ややこしや〜」と歌う様にもう目が釘付け。皆さん、お上手でしたよ(笑)。
そんな萬斎さんの新しい本が昨日発売されたようですが、そちらにはまだ手を出せず、また古い本を図書館から借りてきました(^^;)。
1999年に発売された『萬斎でござる』です。
この所、ビデオやDVD(やYouTube)を見て、インタビューも聞き、本も読み、「萬斎さん情報」はかなりインプットされているので、衝撃度は前回読んだ『狂言サイボーグ』には劣るのですが、それでも面白かったです。
興味深かったのは、お父様・野村万作さんとの関係。
敬意や畏怖の念やライバル心や愛情や……色々な感情を持っているんだろうなぁと思いました。
ふと、和泉元彌さんを連想してしまいました。
「元彌さんのお父さんが健在だったら、元彌さんの人生も変わっていたのかなぁ」なんて考えてしまった……。
元彌さんのお父さんは和泉流宗家でしたが、元彌さんが21歳の時に亡くなったそうです。
一方の万作さんは、成人になった萬斎さんにも厳しく目を光らせていたらしい。
「悪いノリが出てきている」と注意したり、芸に悪影響が出ているのを見て「テレビに出ているからだ」と戒めたというエピソードも描かれていました。
元彌さんのお父様がどんな方だったか詳しくは知りませんが、存命だったら息子のプロレス参戦を認めるとは思えない……。っていうか、それ以前に21歳にして芸を教われる人がいなくなってしまったというのが不幸だった気がします。「宗家を襲名した」とか言っちゃったからには他の人に教えは乞いづらいだろうし……。
元彌さんも、かつてはあんなに輝いていたのに。
紅白の司会をやり、大河ドラマの主役をやりと、飛ぶ鳥落とす勢いだったのに。
一連の騒動でワイドショーで騒がれるようになってからの元彌さんには好感を持てないけれど、なんだか急に気の毒に思えてきました……。
あ、本の話に戻ります(^^;)。
笑ってしまったのは、
「父も近ごろでは、祖父に似てずいぶんかわいい狂言師になってきたと思いますが(略)月のイメージの強い『釣狐』などの曲が似合います」
というくだり。
おじい様(万蔵さん)を明るい太陽、お父様を月にたとえていました。
いや〜、私の中では「キュート」というイメージが定着してしまった万作さんですが、以前はかわいくない狂言師だったという事ですか(^^;)。いや、これ、10年近く前の本ですけどね。あ、でも、無理矢理こじつけると、『鍋八撥』の
「あぅ、ボク、打楽器持ってないけど、ど、どうしよう……はう〜、わ、鍋割れちゃった、とほほ」
って感じは「明るいキュートさ」ではなく、「哀愁漂うキュートさ」って感じだったかな(笑)。
他にも興味深い話萬斎もとい満載で、挙げたらきりがありません。
面白くて、あっという間に読めました。
萬斎さんって、人に何かを伝える事がホントにお上手です。体で伝える事も、言葉で伝える事も共にお上手な人だなぁ。
インタビューでは「ボーッとしている事もある」とおっしゃっていたけれど、とてもそうは思えない。常に色々な事を考えたり、計算しているんじゃないかと思っちゃいます。
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コメント
~@@~Though I don't know Japanese,but I saw 和泉流宗家.= +,in my heart Mansai Sama perform the best Koygen.
投稿: onmyouji | 2008.04.26 22:56
The matter of "和泉流宗家" is complicated.
I can't tell you by my poor English.
投稿: YAGI節 | 2008.04.29 19:01
I know the matter of "和泉流宗家" and read lots of report. I just hope Mansai perform his best Kyogen.
PS:和泉元彌comes to China very often recent years.
投稿: onmyouji | 2008.04.30 03:11
I hope so, too. I am surprised by your eagerness.
投稿: YAGI節 | 2008.05.01 02:41
Persistence with eagerness.
投稿: onmyouji | 2008.05.01 22:23