サルバドール・ダリが愛した二人の女
昨秋、当ブログに少しアマンダ・レア(Amanda Lear)の事を書きました。
その後、ちょっと彼女に興味が沸いてきて、彼女の書いた本『サルバドール・ダリが愛した二人の女』を読んでみました。
ちなみにヤフーで検索すると「レア」と「リア」の両方の表記が見られ、「レア」278000件、「リア」366000件と、ちょっぴり「リア」の方が多かったです。この本も「リア」となっていました。
という事で、今日は「リア」で書いてみようと思いますが、
アマンダ・リア、私が思っていた以上のスターでした(^_^;)。
70年代には日本でもヒットして、ゴールドディスクを獲得したのだとか。
NHKの『レッツゴー・ヤング』に出演した事もあったみたいです。
当時、デヴィ夫人のパーティに招かれた事もあるそうです。
この本を手に取った理由は色々ありますが、一番大きな理由は、「デヴィッド・ボウイの事がどんな風に書かれているか気になったから」です。
なんと、アマンダとボウイは、マリアンヌ・フェイスフルの紹介で出会ったのだとか。マリアンヌから電話がかかってきて
「いまあなたのファンと一緒なんだけど、彼は死ぬほどあなたに会いたがっているわ。いま電話代わるわね。優しくしてやってね」と言われたそうです。
ボウイに死ぬほど会いたがってもらえたなんてー。
そして電話に出たボウイはこんな事を言ったそうです。
「僕、デヴィッド・ボウイ。君に会いたいな。ロキシー・ミュージックのアルバムのカヴァーで君の写真を見たよ。マリアンヌは君についてすごく面白い話をしてくれたんだ。ダリと知り合いなんだってね。車を迎えにやるから、どこかへ行こう。トランプスで食事なんてどうかな」
その晩トランプス(バーとかレストランなんでしょうか?)に行った2人は、ミック・ジャガー夫妻と同席になったそうです。ミックとボウイは、ずっと音楽の事を話していたのだとか。
この時のミックの奥様はビアンカさんなんで、マリアンヌとは別れていたって事なんでしょうか? ミックと同席になったのが偶然なのか、約束していたからなのか、経緯が書かれてないので、この辺謎です。
その後映画館で中継されていたモハメッド・アリのボクシングの試合を4人で(?)観に行くも、ボクシングは嫌だと言い出したボウイがアマンダを自宅まで送り、そのまま部屋に上がり込み泊まった朝にダリから電話があったのだとか。ボウイは「挨拶してもいいかな?」と受話器を取り、「もしもし、ダリさんですか。初めまして」と挨拶した
……なんていう、すごすぎるエピソードが書かれてました。
その後、ボウイが既婚者(しかも子持ち)だと話してきた時には、「食べ物が喉につかえそうになった」そうです。←夕食を食べている時だった
こんな事書くと、暴露本みたいに思えちゃうかもしれません。
暴露本といえなくも、ないのかもしれないけれど……、読後には泣いてしまいました。
亡くなる直前のダリをアマンダが訪れた所で終わっているというせいもあるかもしれません。「自分の衰えた姿を見せたくない」というダリの意向で、2人は暗い部屋で会話をするのですが、それでも痩せて小さくなってしまった事はわかってしまい、涙を抑えられなかった事が記載されていました。元気の象徴だったような人が、亡くなる直前に小さくなっちゃう姿は本当に堪えますよね(叔父のそういう姿を見て衝撃を受けた事があります)。
という感じで、スキャンダラスな事も書いてはあるのですが、ダリとの18年を愛を込めて振り返った回想録という印象でした。
アマンダは「ダリの愛人」と言われてますが、肉体関係はなく、一般的な「愛人」のイメージとは全く違ってました。特殊な不思議な関係です。
歌手になる前のアマンダは、ダリにとって「優しくて、大人しくて、従順な女の子」だったそうです。売り出す際に、イメージを変えられてしまったようですが、↓の姿はどうしても「優しくて、大人しくて、従順なかわいいアマンダ」って感じには見えない……(^^;;;;)。
すごい声!
これなら「元男性説」が信じられてもおかしくない(^_^;)。
巻末のアマンダの紹介がちょっとヤバいです。
「1974年頃デイヴィッド・ボウイと同棲し、彼の2枚目のアルバム『フォー・ユア・プレジャー』のジャケット・モデルとなる」
となってますが、違いますからー! 『フォー・ユア・プレジャー』はロキシー・ミュージックですからーっ!!
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