卒業式の思い出
卒業式のシーズンですね。
卒業式といえば、
「好きな人の第二ボタンを貰う」という風習があります。
私は中学の卒業式で貰いました。
といっても、好きな人のボタンではなく。
「下さい」と頼んだわけでもなく、渡されちゃったのでした。
しかも本人からではなくて、「これ、Aから」って。
A君というのは、学校一の不良……?
いや、私の通っていた学校は荒れていたわけではなく、A君が暴れている姿を見た事もないのですが、見た目が無茶苦茶恐かった(^_^;)。
とても中学生とは思えない貫禄で、子分(?)みたいな人をはべらせて、番長というか、ボスというか? とにかく近寄りがたい雰囲気を持ってました。
そんな人のボタンを渡されてしまうとは。
徴候はありました。
A君が私の事を好きだという噂はずっと流れてたのでした。
当時の私はとっても真面目でした。その上、人見知りで、恥ずかしがり屋で、話すのが苦手。なので、A君はもちろん、他の男子ともあまり話す事はありませんでした。そんな大人しい私の事を、学校一の不良が好きだなんて俄には信じられなかったけれど、『スラムダンク』では桜木花道(学校一の不良)が晴子ちゃん(真面目な美少女)の事を好きになってたので、そんな事もあるのかもしれない?
ちなみに、今では全く面影ありませんが(泣)、当時の私の事を「○中三大美女の一人」なんて言ってくれる人もいたのでした。
女子の中ではクラスで2~3番を争う位学力もあったし、運動会ではリレーの選手に選ばれる位運動神経も良かったので、振り返ってみれば中学時代が私の黄金時代だったかも。
A君が頼んだのかわかりませんが、A君と私をくっつけさせようとする人は多くて、危うく2人揃って学級委員にさせられてしまいそうになった事がありました。学級委員って頭の良い人か、クラスの中心人物がなるイメージがあったので、「私には無理」と必死に抵抗し、女子で一番頭の良かった子を推薦して(押しつけたともいう……)難を逃れたのですが、何も知らない担任の先生には通知票に「力があるんだから、もっと自信を持ちなさい」みたいな事を書かれたっけ。
「先生、違うの。みんな、A君に協力して、同じ委員にさせようとしただけなんだよ」と言いたかった……。
ある男の子にカメラを向けられ不思議に思ったら、「Aに頼まれた」と言われた事もありました。
「AはYAGI節の事本当に好きなんだよ」と言われた事もありましたが、直接アプローチをされた事はなかったなぁ。
ただ、思い返すと甘いエピソードはあり……
たとえば、
理科の実験で唾液を使う事になりました。ジャンケンで負けた人の唾液を使う事になり、運悪く私が負けたのですが、とにかくシャイだった私は唾液を出す事がどうしても出来ず、無茶苦茶困っていたらA君が代わりにやってくれました。あの時は本当にありがたくて、「こんな恐いルックスなのに、優しい所もあるんだなぁ」とちょっと見直したっけ。
あと、A君が下級生に呼び出された事がありました。告白されたそうです。
が、「好きな子がいるから」と断ったのだとか。その「好きな子」というのが私だったというのです。A君から直接聞いたわけではないので、半信半疑なのですが、「本当に私の為に断ったのだとしたら、嬉しいなぁ」とちょっとキュンとしました。が、「いやいや、全然好みの子ではなかったから、そんな断り方をしただけだよ」なんて打ち消したり(笑)。
中2の時に同じクラスでしたが、クラス替えの時に私と同じクラスにしてほしいと先生に頼みに行ったという話も聞きました。んー、普通そんな事しないですよね。これは流石にデマな気がしますが……本当だったらどうしよう(^_^;)。ちなみに中3でも同じクラスになりました。
卒業が近づくと、サイン帳をクラス全員に回して言葉を書いてもらったのですが、A君はメッセージの横に真っ赤な大きなハートマークを書いてくれました。
なので「私の事を好きっていう噂は本当なのかも?」なんて思いましたが、それでも口では何も言ってこないので、信じられませんでした。
そうこうしているうちに、卒業式がやってきて、ボタンを貰ったという次第。
本人にお礼(?)を言うべきか迷ったけれど、相当離れた所でこちらを伺っていたA君は見た目怖そうなお友達に囲まれていたので、チキンな私はそこまで近づいて話しかける勇気が出ませんでした。よく憶えていないけれど、軽く会釈をした位だったかもしれない。
友人と家路に向かうと、離れた所からやはりお友達に囲まれたA君が尾いてくる……いや、彼も単に家路に向かっていただけですね。
結局、その日はそれきり。
卒業してしばらく経った頃、突き指をして整骨院に行ったら、中学時代に同じクラスだったB君と偶然会いました。次の通院日に「またB君がいるかな?」と思ったら、A君がいてびっくり。クラスメイト(特に男子)はやたらA君と私をくっつけようとしていたので、私がそこに来るって教えたのかもしれませんが、いくらなんでも私と会うために、わざわざ怪我するわけはないですよね。懐かしいような恐いような、何ともいえない感覚でした。ボタンのお礼を言うべきか、迷ったけれど、軽く挨拶をした位だったかもしれない。
高校は自転車で通っていた私ですが、通学路のコンビニの前でA君が友達と屯している事がよくありました。そんな時は、自転車を運転しながら軽く会釈をしたかな。スルーした事もあったかもしれない。たまたまなのか、私を待ち伏せしていたのか、謎です。
その後、コンビニにいなくなったと思ったら、野球部に入ったという噂を聞きました。
私が高校野球好きだから……なのかどうかはわかりません。
A君って高校球児のイメージとは最も遠い所にいそうな感じでしたが。
その後、A君を見かける事はなくなりましたが、卒業式のシーズンになると、つい思い出してしまうのでした。
「私の事、好きだったのかなぁ?」なんて考えると、ちょっと温かい気持ちになります。いまだにそのボタンは捨てずにとってあります。
もっとも、私が当時好きだったのは、学年一頭の良いC君でした。
国立の高校に入学し、その後東大に合格しました(かつては週刊誌に東大の合格者名が載っていたので、それをチェックして知りました)。
顔はお世辞にも良いとはいえない(極めて悪い)し、肩はフケで白くなってましたが、好きだったんですよねぇ(^_^;)。
一度A君が私の事をからかってきた時に、C君が「こいつをいじっても、泣かないから面白くないよ」と言ってくれて、「ひょっとして、かばってくれた?」と、嬉しかったっけ。
C君とは席が隣になった事があって、よくからかわれていたのですが、なぜか彼のお父さんにその話をして、「好きな子の事はいじめたくなるんだよなぁ」と言われたそうで、「私の事を、家で話してるの?」と嬉しくなりました。「そんな話を私にしてくるって事は私の事好きって事???」とドキドキしたりして。うう、甘酸っぱい(笑)。
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