『プレステージ』
DAVID BOWIE is(ボウイ展)で流れていた映像は大体どこかで見たことある物ばかりだったのですが、数少ない未見の映像が映画『プレステージ』の物でした。
これ、全く知らなかったー。私とした事がーっ(?)。
という事で、随分遅くなってしまいましたが、映画『プレステージ』、DVDを借りて観てみました。2006年のアメリカ映画、日本でも2007年に公開されていたみたいです。
引退を囁かれていた時期なのに、映画には出ていたのか。
もっとも、ボウイ、この映画出演のオファーを1回は断ったのだとか。
が、クリストファー・ノーラン監督は、粘り強く交渉を続けたとの事。一度断られた役者に再度アプローチをしたのは、ノーラン監督のキャリアでも最初で最後だそうです。よっぽど出てほしかったんですねー。
ボウイの役は実在の科学者ニコラ・テスラ。
「テスラ」といわれてロック・バンドを連想してしまった私ですが、あのテスラの名前の由来もこのテスラさんだそうです。
震えてしまったのが……
実は今、木内昇さんの小説を読んでいます。
木内さんの作品にハズレはありませんが、これは特に面白くて、読んでる時は全てを忘れて小説の世界に没頭してしまうんですが、主人公が電気の虜になっている技師なんです。そんな小説を読んでる最中に、ボウイがテスラ博士として私の目の前に現れたのです!
こういうの、シンクロニシティっていうんですか? なんか、不思議な力が働いてるとしか思えない。あの小説をより面白くしようと、ボウイが協力してくれてるのかと思っちゃったよー(違)。
以下、ネタバレあります。
映画の話に戻しますと……
この映画、凄かったです。
2人の男性のライバル物語です。
基本的には私はライバル同士が切磋琢磨する話は大好きで、「星飛雄馬vs花形満」「桜木花道vs流川楓」「北島マヤvs姫川亜弓」とか大好物。
絵柄があまり好きではなかった『エースをねらえ!』もひろみに対するお蝶夫人の態度は「滅茶苦茶カッコいい」と憧れたような朧気な記憶があります。
「ライバルなんだけど、最終的には相手を認めて共に強くなってゆく」というのに、シビれる。
「ライバルは憎しみ合ってもおかしくないのに、仲良くなるの!?」と最初は驚いたような気がします。その意外性も心地良かった。
けれども、最近は「昨日の敵は今日の友」的な作品が多い気がして、むしろ、ライバルは「仲良くなって当たり前」という気さえします。
あるいは、単に私がドロドロしたライバル関係が嫌いだから、そういう作品を避けているだけなのかなぁ???
そして、この映画のライバル関係は、酷い。凄惨です。
「こういうライバル関係もあるのか」と逆に新鮮。
まぁ、ただのライバルではなく、復讐的なものも絡んでいるんですけどね。
「愛する妻があいつのせいで死んだ。なのに、あいつは幸せな家庭を築いているなんて許せない」みたいな。
目には目を、歯には歯を。まるで戦争です。
「やられたからやり返す」が破滅まで続くのです。
互いに相手をやりこめようとするイヤな話ですが、お互い奇術師なので驚かされる事も多く、ついひきこまれてしまう。そして、お互いの、スポ根的な熱血さで命がけで事に当たる様は「そこまでやるか……」と呆れつつも、畏敬の念をおぼえてしまうというか……。
主人公はヒュー・ジャックマン。
ジャン・バルジャンの10年前は若くてカッコ良かったです。でも、やる事はヒドかったなー。可哀想でもあるんですけどね(;_;)。
★ ★ ★
同じ頃に制作された『グラマラス』も一緒に借りてみました。
日本版が発売されたのはボウイの死後。扱っているのはタイトル通りグラマラスだった頃(グラム期)のボウイで、ドキュメンタリーです。アンジー・ボウイやウッディー・ウッドマンジー、音楽評論家達が振り返って語っているという物。
「"Rebel Rebel"最高」といった評論家の後に別の評論家が「"Rebel Rebel"をいいと思わない」みたいな真逆な事を言っていて、ウケました。大人気の曲ですが、私も"Rebel Rebel"はそんなに好きじゃないんですよね……。っていうか、最初の評論家は「『ダイアモンドの犬』は良い曲がほどんどないけど、"Rebel Rebel"が入っているから素晴らしい」みたいな事を言っていて、あまりに私の好みと違っていて笑ってしまいました。"Rebel Rebel"より"Sweet Thing"(他の曲も)の方がずっとずっと好きだよー。
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