『ガンスリンガーの復讐』
前回記事にした『プレステージ』は、DAVID BOWIE is(ボウイ展)で知ったというボウイ・ファンとしてはダメダメな私ですが、『プレステージ』を借りる際に、他にも観ておくべき作品がある事を知りました。それが『ガンスリンガーの復讐』。
1998年の作品で、日本では劇場公開されていません。ソフトもずっと発売されていなかったみたいなので知らなくても仕方ないといえば仕方ないのですが、なぜか2015年に発売されているので、ファンだったら、もう少し早く気付いていたかった気はします。
イタリア映画なんですが、観るまでイタリア映画という事を知りませんでした。しかも西部劇です。ボウイとはあまりにアンマッチな世界観に思えました。始まって数十分経ってもボウイは登場しないし、出る気配もないので、「間違えて全然関係ない作品を借りてしまったのでは?」と思ってしまいました(パッケージはレンタル時に付いてこなかった)。疑い過ぎて、途中で一時停止してWEBで調べちゃった程。
「どうやら、間違いではないらしい。本当にボウイは出てくるらしい」と確認した上で視聴再開。
登場後のインパクトはハンパではありませんでした。
絵に描いたような悪役なんですが、その悪さが恐かった。イカレちゃってる感、凄まじすぎ。「猟奇殺人の犯人役だったっけ?」と記憶が塗り変わっちゃいそうですがガンマン役です。
1998年はボウイのシングルでいうと"Little Wonder"や"I'm Afraid of Americans"が出た翌年。あの辺のPVの、「ちょっとイッちゃってるあの人が極悪になったような感じ」といえばわかる人にはわかるかな。
「ひょっとして、台本では普通の悪役なのに、ボウイがやるとサイコっぽくなっちゃうのか?」という感じがしないでもありません。西部劇ってほとんど観てないのでわからないのですが、サイコなガンマンなんて、ありなんでしょうか? ボウイのせいで西部劇感が思いっきり薄まってる気がしました。それが狙いだったのか失敗だったのかは、わかりません。でも、ボウイをキャスティングする時点で、普通の西部劇にする気はないですよね(かな?)。不思議な映像を観た気がします。
銃を撃つボウイはカッコいいです。ヒドイ役ですが、あの役をボウイは楽しんでいたかも?
ボウイの声がいつもと違ってました。
一瞬、「イタリア語を喋っているから?」と思いましたが、そんなワケはなく、他人の吹き替えでした(>_<)。
見終わってから、「特典映像」に英語版が入っている事を知り、再度ボウイの出ている所だけを英語版で見直しました。
イタリア版と英語版とでは日本語訳が微妙に違ってました。
DVDの制作者は、「英語版を観るのはボウイ・ファン」って思ってたんでしょうね、英語版のメニューの背景画像が主役でもないボウイになっていて、嬉しかったです。
っていうか、そもそもパッケージ写真もボウイが中央で主役と間違えるー。
もっとも、パッケージの写真を一目見てボウイと気付ける人は相当のボウイ・ファンだと思いますが。私はわからなかった(恥)。
と、前回の『プレステージ』とは対照的に、あらすじを書かずにボウイの事ばかりを書いてしまいました。それ程ボウイが印象に残る映画でした(『プレステージ』は面白かったけれど、ボウイの出番は少ない)。
ただ、「こんな残虐ボウイ、見たくなかった」という女性ファンもいるかもしれません。
調べてみたら、ボウイ出演映画の中で私がもっとも苦手な『エヴリバディ・ラブズ・サンシャイン』も1998年の作品でした。
作品全体で比べたら『エヴリバディ…』の方が圧倒的にダークです。20年近く前に観たきりなので(そんなに経っている事に愕然)、内容は殆どおぼえていないんですが、おぼえていたくない、忘れたい映画だったような気がします。
あんなダークな作品に出て、こちらではこんな恐ろしい役をやって、当時滅茶苦茶恐そうに(私には)見えたトレント・レズナー(ナイン・インチ・ネイルズ)とコラボしていたボウイ。
1998年のボウイしか知らなかったら、「怖ろしくて近づきたくない人」で終わったかも(汗)。
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