« 驚きの航空券 | トップページ | デヴィッド・ボウイ・センターはケンジントンじゃなかった! »

2025.07.05

【語りたくなっちゃう曲】All the Young Dudes

先月観に行ったミュージカル『LAZARUS』の台詞は日本語でしたが、歌唱部分は英語で日本語の字幕が流れました。
"All the Young Dudes"の日本語字幕が流れた時、昔この歌詞について結構悩んだ事を思い出しました。

デヴィッド・ボウイの書いた歌詞には理解出来ないものが多いのですが、この曲の場合は「英語的に何を言ってるんだか、わからない」というよりも、「当時のイギリスのカルチャーやボウイの立ち位置がよくわからない」という部分も大きかったような気がします。

この曲を最初に有名にしたのはモット・ザ・フープルですが、作者であるボウイが後にあちこちで歌っているし、ミック・ロンソンのアルバムに入ってるヴァージョン(フレディ・マーキュリー追悼コンサートで演奏されたもの)とか色々あります。歌詞も微妙に変わってます。

たとえば、

Wendy's stealing clothes from Marks & Sparks

という部分。
「Marks & Sparksはどうやら店の名前でイギリス人なら皆知ってる程の有名店らしい。どんな店だろう、見てみたいなぁ」なんて学生時代の私は思ってました。
正しくは「Marks & Spencer」なんですけどね。店名そのまま使うのはダメだから変えたのか? 
「西友」を「西流」にしたようなものなのか?

ロンドンには2度行ってますが、まだMarks & Spencer(M&S)には入った事のない私です。
なんか日本に上陸したようで「行ってみたい」と思った気はするのですが、いつの間にか撤退しちゃってるみたいです。
次にロンドンを訪れたら、今度こそ行ってみたい。
バスでロンドンを走る動画を見ていたらM&Sが映ったのですが、現在は食料品がメインのお店だとユーチューバーさんが言ってました。そういえば私が時々行く西友も衣料品売り場などが消えて、食料品売り場だけになっちゃいました。M&Sもそんな感じなんでしょうか(自信なし)。

が、「Marks & Sparks」でもいけなかったのか、後には

from unlocked cars

に変わったのでした。
山口百恵さんの『プレイバック part 2』の歌詞の「まっかなポルシェ」が「まっかな車」に変わったような感じなんでしょうか(若い方には意味不明なたとえですみません)。

あと、

I need TV when I've got T.REX

の部分。
「T.REXを見るにはテレビが必要」と訳している人もいれば、「テレビはいらない」と訳している人もいて謎です。
「テレビが必要」と「テレビがいらない」って真逆じゃないですか。しかも、洋楽を知らない人はT.REXを恐竜だと思っちゃうのかもしれない。

かつてボウイのファンサイトを作っていた私は「歌詞について考えたい」というコーナーを作っていて、そこでこの曲を取り上げたのですが、こんな事を書いてました。
(20年以上も前の話💦)

「(T.REXを)『大昔の代物』なんて訳している物がありました。『テレビなんて大昔の物だから必要ない』とか。が、やはりマーク・ボランを見る為にテレビは必要だったと思います。」

ボウイがT.REXをどう思っていたかによって、答は変わってくると思うのですが、この曲にはこんな歌詞も出てきます。

My brother's back at home with his Beatles and his Stones

T.REXもビートルズもローリングストーンズも、現在の私達から見れば皆「オールドロック」と一括りにしてしまいたくなるのですが、この歌詞では「T.REX」と「Beatles and Stones」はどうやら違うカテゴリーのようです。
ビートルズとローリングストーンズはお兄ちゃん世代なんですね。十代後半と二十代前半だったら、はたから見れば大した差はなさそうだけれど、当人達にとっては大違いなのかもしれない。

ボウイはジョン・レノンの事が好きだったみたいだし、ミック・ジャガーとも仲良くなるので、ビートルズやストーンズを悪く言うとは思えなかったけど、当時のボウイにとってはT.REXが新世代のスターでカッコ良く見えていて、ビートルズやストーンズは古く見えていたのかも。

では「T.REXが好き」という事を前提として、

果たしてテレビは必要なのか不要なのか?

ChatGPTに頼り過ぎてる気がする昨今ですが……
ChatGPTに尋ねちゃいました。
答えてくれました。

🅰「T. Rexがいるのにテレビが必要?」=テレビなんていらない派(反語)
解釈:T. Rexがいればそれで十分、テレビなんて要らない。

文法的根拠:「when I've got T. Rex」に対する “I need a TV?” という語調は疑問・皮肉・反語として解釈できる。

日本語訳例:

「T. Rexがいるってのに、テレビが必要かい?」

「T. Rexがあれば、テレビなんていらないじゃん」

✅ こちらはボウイの精神性(若者文化・グラム志向)と整合性がある。
✅ テレビ=受動的な情報 vs T. Rex=自分たちの時代の能動的な象徴。

🅱「T. Rexがいるからテレビがいる」=テレビ必要派(直訳的)
解釈:T. Rexを観るにはテレビがいる、または、T. Rexもテレビも好き。

日本語訳例:

「T. Rexがいるんだから、テレビも必要だよ」

「T. Rexを観るためにテレビが必要」

🟠 この解釈は文法的に不自然ではないが、曲全体のトーンとはややズレる。
特に前後の歌詞(BeatlesやStonesを古臭く扱っている点)と合わせると、「テレビ必要説」は受け身な若者像に結びついてしまう。

2パターン比較した上で、こんな風に言ってきました。

✅ この行は、完全に“反語”として読むべきだと思います。

つまり:

「T. Rexという今のアイコンがあるのに、わざわざテレビなんて要らないだろ」
= 「俺たちは今ここに生きてるんだ。自分たちの音と姿勢を持ってる」

これは、60年代的な「情報源としてのテレビ」や「革命ごっこ」への冷笑ともつながってくる。

無茶苦茶わかりやすくないですか。ChatGPT先生、すごいです。
そして、こんな表も作ってくれました。

⚖ 比較表:ビートルズ/ストーンズ vs. T. Rex

要素 ビートルズ/ストーンズ T. Rex(やボウイ自身の分身)
世代感 60年代的「兄貴世代」 70年代初頭の「今」
革命への姿勢 社会的・政治的理想主義(革命stuff) 革命には懐疑的。むしろ装いの革命
音楽スタイル ロックンロール〜ブルース中心 グラム、装飾美、妖しさ
若者の憧れ 「もうダサい」と見なされている 今もっとも熱い存在

T.Rexが「もっとも熱い存在だった時代」というのはとっても短かったと思うのですが、そういう物に新しもの好きな若者が熱狂するというのはわかる気がします。
しかし、ボウイがこんなに息の長い存在になるとは当時の人は思ってなかったんじゃないかな。

ちなみに昔の訳では「television man」を「テレビの修理屋」と訳しているのもありました。英語って難しい。

|

« 驚きの航空券 | トップページ | デヴィッド・ボウイ・センターはケンジントンじゃなかった! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 驚きの航空券 | トップページ | デヴィッド・ボウイ・センターはケンジントンじゃなかった! »